第7話
成年後見人が”喪主”になるということ!
2000年、介護保険制度の施行と同時に成年後見制度が施行された。目的は介護保険サービス利用が”契約”で行われるようになったからである。老人福祉法から介護保険へ”措置から契約利用へ”と、サービス利用を選び利用負担が必要になった。最も困る方々は、高齢となり家族に手助けしてくれる人がいない方、特に認知症になった方で、介護サービスの選択が難しく・お金があっても自身のお金をうまく使えなくなってくる。制度施行と同時に、日本社会福祉士会で研修を受け家庭裁判所へ登録し、成年後見人を受任してきた。殆どが認知症高齢者の方々であった。
人生最期の時に最も困ることは?
“命を終えた後の我が身の後始末“である。
亡くなった時親族(息子・娘・姪・)へ連絡しても拒否され、葬式・火葬ができない時はどうしますか?市町が代行することもある。家庭裁判所へ連絡し成年後見人として喪主を務める事もできる。老いて認知症が進むと、疎遠となっている娘や息子・先に亡くなった夫の“今”は忘れて語ることはなく、話題はそれぞれの過去の暮らしを想い、日々の会話を紡いでくれる。苦労したことも自慢話となり、子の自慢や亡くなった夫への想いや感謝など穏やかな日々を過ごされた事など同じ会話を繰り返す。
次の第8話・第9話では、成年後見人が喪主をさせて頂き、“終わり良ければ・すべて良し”人生の終わりに遭遇しての学びと人生の不思議さを得た体験を綴ります。